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【レビュー】ロボトミーコーポレーション:激ムズモンスター管理シミュレーションゲーム【評価,感想】

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Lobotomy Corporation:レビュー,評価,感想

ロボトミーコーポレーションのレビュー,感想をまとめました。

steamのダウンロードページ(ロボトミーコーポレーション)ヘは以下のリンクから飛べます。

1.レビュー

1.1.良いところ

未知なるものの観測が面白い

本作はアブノーマリティ*1を自分の意志で選択して収容します。初めて出会うアブノーマリティは情報が開示されていません。そのアブノーマリティがどういった特徴を持っているかを手探りで調べていくことになります。

Lobotomy Corporation:アブノーマリティの未定情報
未知のアブノーマリティ

アブノーマリティは作業*2をすることによって観測を進められます。作業によってプレイヤーの有益になるようなイベントが発生したり、時にはプレイヤーの害になるイベントも発生したりします。

それらを観測することが本作の醍醐味の1つとなります。

Lobotomy Corporation:アブノーマリティの情報
アブノーマリティの情報

また実際に起こるイベント以外にそのアブノーマリティの背景を知ることができます。
一言で例えるなら生態。そのアブノーマリティがどういった特徴を持っているか、どれほど危険なのかといったことを知ることができます。

Lobotomy Corporation:アブノーマリティの記録
アブノーマリティの記録

ここまで聞くとなんだがあれに似ていない?と思われるかもしれません。解説した通り「SCP財団」に似ています。いや似ているというよりゲームコンセプト自体がSCP財団を基にして作られています。
よってSCP財団が好きという人は一度触ってみることをオススメします。

*1…アブノーマリティとは所謂調査対象のモンスター。
*2…職員がアブノーマリティに対して行うアクション。

世界観,ストーリーが異質で秀逸

本作は世界観,ストーリーがかなり練られています。世界観自体はかなりダークでグロテスクな表現も多いがストーリー設定は緻密に作られてあります。

ストーリーに関して少しだけ触れます。

ストーリー

ストーリーの舞台はとある会社。プレイヤーは管理人としてアブノーマリティを管理するように言われます。
プレイヤーは日にちが経つにつれてこの会社の真の目的は何か、何のためにアブノーマリティを管理しているのか、自分,各部門の担当の正体とは何なのかを知ることになります。

Lobotomy Corporation:ストーリー

つまり本作のストーリーはJRPGで一般的なアクションが展開されながらそれに応じて展開されていくようなものではなく、
ビジュアルノベルで一般的なあらかじめ謎がちりばめられておりその謎を解き明かしていくようなものとなっています。

よってストーリーのジャンルとしてはSF,ミステリーといったものとなります。それらが好みの人はチェックしてみるのもいいかもしれません。

1.2.気になるところ

絶望的難易度

まず一言、

難易度が高すぎる

本作のジャンルはシミュレーション,RTS(リアルタイムストラテジー)です。
本作は筆者が今までプレイしてきたクリアを前提,予期している*1シミュレーションゲームの中で最も難しいと感じました(クリアを前提としているがクリアをさせる気はない模様)。(あくまで筆者個人の感想、これについては後述)。

開発元の頭がおかしいレベルで難しくしてある、いやプレイヤーの頭がおかしくなるレベルで難しいといった方が正しいです。

姉妹作にLibrary of ruina,Limbus companyがありますが、それらより圧倒的に難しいです。比較にならないレベルで難しいです。シンプルにエンディングに到達するまでの苦労(精神のすり減り度合い)が段違い。

補足*1

補足を加えるとクリアを前提,予期しているシミュレーションゲームの中で、です。クリアを前提,予期しているというのは所謂RPGでストーリーが展開されるという意味です。

ストーリー性を伴わないつまりRPG要素がないシミュレーションゲームはそもそもクリアさせる気がまったくないものがよくあります。
それらは含めません。なぜならゲームそのものがクリアを前提としていないので開発元が制限無しに難しくできるから。



▼難しい要素
ここまで言うと「なんだなんだ何がどう難しいんだ!?」と思われる方がいると思うのでわかるようにちょっとだけ説明します。本作はこの難しさというものが普通のゲームと違い少し異質です。

本作の難しさは次の2つの要素から成り立っています。

①特定のイベント戦が難しい
②周回要素

①…
…まず①の特定のイベント戦が難しいはよくある難しさです。JRPGで例えると特定のボス戦が難しいといったもの。RPGの中には特にボス戦が難しいゲームもあります。

本作はこのイベント戦の難しさだけ見てもシミュレーションゲームの中では上位です。少なくとも日本のよくあるRPGよりは圧倒的に難しいです。しかし本作のメインとなる難しさはこれではありません。

②…
…本作のメインとなる難しさは周回要素。よくXXXが強い、難しいと聞きますが問題はそこじゃないです。敵の強さではなく周回要素があまりにも鬼畜で絶望します。

このゲームは実はローグライクもジャンルとして含まれています。そして1回の完走に30時間かかります。(現実のプレイ時間ではなくゲーム内でのプレイ時間)
ゲーム内プレイ時間で30時間、現実のプレイ時間にすると1回の完走に少なく見積もって50時間はかかります。

本作の難しさとは

つまり本作の難しさとは言い換えるとエンディング到達難度。ストーリー進行する際の敵の強さが難しいではなくエンディング到達難度が馬鹿げています。普通の人は1回目のリセット時に投げます。


わかりやすいように具体例をあげます。

日本のRPGで例えます。まず作中の敵の強さを1.5倍にします。次に味方キャラの復活をなくします。何をしても一度死亡すると復活しません。
味方キャラが死にすぎてストーリー進行に行き詰ったときどれだけ終盤でもゲームをリセットしましょう。ゲームはリセットしても一部のもの(装備,プレイヤーの知識)はリセットされません。

具体例を見てわかるように周回、つまり同じことを繰り返すことに抵抗がない人それほど苦労せずにエンディングに到達できると思います。

もう少し細かく言うと本作の管理シミュレーションというゲームタイプが好きで何度も何度も同じ作業をすることに抵抗が全くない人はエンディングに到達できます。
逆にこの管理シミュレーションが普通、嫌いという人はエンディングに到達するのは極めて難しいはずです。



▼Lobotomy Corporationの姿

結局はエンディング到達難度がゲームの客観的難易度に加えてプレイヤーの主観的趣向に強く依存するところがエンディング到達難度を異常なものにしている要因となります。
素で難しい上に同じ作業に耐えうる精神力が必要となります。同じ作業をRPGで例えるとレベル上げ。

ようは難しいのではなく疲れるゲーム。筆者は同じことを繰り返す所謂作業ゲーに抵抗がないのでとてつもなく難しい,疲れる(エンディング到達難度が高い)と感じました。

本作を一言で例えるなら

本作を一言で例えるなら麻薬ゲーム,精神耐久ゲーム。要はどれだけ精神を正常に保ちながらプレイできるかといった耐久ゲームです。
ある意味ゲームのテーマに沿って作られています。(そこはテーマになぞらなくていい)。

2.レビュー

感想を書くにあたってネタバレを含みます。ネタバレを避けたい方は見ないようにしてください。

※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※
※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※
※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※※ネタバレ注意※







感想として言いたいことは難易度のみ。それ以外言うことが特にない。それほど難しいです。序盤は簡単。しかし難易度の上り幅が明らかにプレイヤーの成長幅を超えています。係数でいうと2x違います。

ゲブラーミッション2からとてつもない速度で難しくなっていきます。そしてゲブラーミッション3でゲーム性が管理シミュレーションからモンスター討伐アクションに変わります。
なんかいろいろアブノーマリティの記録を見れるんですがそんなことどうでもよくなります。リセットしなければならないかどうかにおびえながら1日1日を過ごすことになるので。

それともう一つ言うと職員のレベル上げが面倒くさい。本当にだるい。1日を終えないとどれだけ強くなったかがわからないのも面倒くささに拍車をかけています。
なお手塩にかけて育てた職員でも敵の攻撃によっては一撃で破壊されます。

どれぐらい難しいかどういうところが難しいかはレビューのほうで書きました。ここでは進行度に応じて難易度について感じたことを書いていきます。

●序盤

序盤は「簡単やな、これ何が難しいん?」とほとんどの人間が思います。はい簡単です。ものすごく簡単です。



●ゲブラーミッション2

ゲブラーのWAWクラスアブノーマリティを4回鎮圧せよというミッションで「????」と感じるはずです。
それまではアブノーマリティは脱走させないことが前提でアブノーマリティを管理するというシミュレーションゲームを行ってきました。

しかし突然鎮圧ミッションが出てきます。ここで戸惑う人が結構出てきます。おそらくこのミッションで初めて本格的にWAWクラスアブノーマリティを鎮圧することになります。

同時にこう思います。「あれ?このWAW鎮圧ミッション2つ目だけど?」。ここで寒気がします、WAWアブノーマリティ鎮圧で”まだ2つ目”つまりこれより難しいミッションが2つあると。



●ゲブラーミッション3

そして3つ目のミッションでついにこのゲームの本性に気づきます。3つ目のミッション内容は異なるALEPHクラスアブノーマリティを3体鎮圧。
「!!?www。あ、そういう系なんだ。そういうバトロワ乱闘アクションゲームなんだ」と。

そうです。本作のジャンルは管理シミュレーションではなくアクション系RTS(リアルタイムストラテジー)です。(まだ一時停止ができるのでリアルタイムではない)。シミュレーションの皮をかぶったアクションです。

このミッションをどうにかクリアできたら大多数の人がこう思います。「ALEPHクラスは最高危険度のアブノーマリティだからこれでこのゲームの山場を越えた」と。残念なことにこのゲームの山場はここではありません。



●赤い霧

赤い霧は味方職員を一撃で粉砕しくるような攻撃をしてきます。筆者は成程成程、ALEPH鎮圧の次はこういう系で攻めてくるんだと逆に感心しました。
すごいですよね。ゲームの謳い文句はモンスター管理シミュレーション。実際に蓋を開けてみるとモンスター討伐アクション!! 



●調律者

本作の山場。調律者を一言で表すなら絶望。おそらく1周目で赤い霧をクリアしてもこの調律者で8割の人はリセットを強いられます。

調律者の能力としては収容室を通るときにその収容室のクリフォト暴走を発動させます。また調律者はクリフォト暴走をメインとした攻撃をしてきます。まともにクリアしようとする場合逆光時計の是非に難易度がかなり依存します。

調律者の鎮圧はALEPH、WAWアブノーマリティがことごとく脱走しアブノーマリティの大運動会が始まります。
何をどうあがいても極悪アブノーマリティが複数同時に脱走してきます。調律者戦は例えると名探偵コナンの世界観に突然北斗の拳のモヒカン君が乱入してくる感じですかね。



●49日目

最低最悪の難易度。調律者に加えて一時停止が機能しなくなります。逆光時計抜きで犠牲者を最小限に抑えてクリアできる人はそうそういません。
しかしこれさえクリアできればエンディングに行けるので49日目までに職員が枯渇していない限り全精力を使えばなんとかなります。

プレイヤーの気持ちとしては「ここを切り抜けられたらクリアか、よしごり押しするわ。職員はどうなってもいいや」。よってここまでに職員を枯渇せずに来れた人がクリアできないという事はないはず。//

2.1.感想(評価)

人にお勧めできるかどうかと言われるとオススメできないです。一度触ってみることはオススメできるが、クリアまでプレイしようとか口が裂けても言えません。

なんというか娯楽を目的としたゲームではなく苦痛を目的としたゲームと表現する方が適切なゲーム。(筆者が嫌いなだけの可能性は否めない)。

本作はSCP財団をモチーフにしています。SCP財団が好き、興味があるって人にオススメできるかと言われるとう~ん悩ましい。

SCP財団は筆者はほとんど知らないが少なくともモンスターの生態を観測することを楽しむことは知っています。
そのような体験を本作は可能だが、クリアを目指すとなるとゲームジャンルが途中からバトルものへと変化します。それを許容できるならプレイしてみるのもいいかもしれないです。

ポジティブポイントネガティブポイント
モンスターを管理,観察するのが楽しいめちゃくちゃ難しい
ストーリー設定(伏線),世界観が秀逸途中からゲームジャンルが変わる
クリア時の解放感,達成感が普通のゲームと比べて段違い

コメント

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